歩行車を使っていて、こんな不満はありませんか。
- 「座面が低くて、休んだあと立ち上がれない」
- 「背が低いので、座ると足が床に届かない」
- 「屋外では安定するが、家の中では小回りが利かない」
- 「下り坂で勝手に進んでいって怖い」
これらは機種を変えれば解決することがあります。歩行器・歩行車は介護保険のレンタルなので、合わなければ交換できます。我慢して使い続ける必要はありません。
この記事では、こうした不満に対応する調整機能を持つ機種を例に、何が調整できると何が解決するのかを整理します。
この記事でわかること
- 座面の高さが合わないと何が起こるか
- 抑速ブレーキを手元で切り替えられることの意味
- 前輪の回転を切り替えると屋内外で使い分けられること
- レンタル料は1割負担で月300円程度
ここからは、実際の製品の機能を見ていきます。
ユーバ産業から発売されているザフィットの紹介です。
① 座面の高さが合わないと何が起こるか
座面の高さを変えられる歩行車は、これまでほとんどありませんでした。だからこそ、次のような声が現場では確かにありました。
| 座面の高さ | 起こること |
|---|---|
| 低すぎる | 休憩したあと立ち上がれない。座るのが怖くなる |
| 高すぎる | 足が床に届かない。踏ん張れず、ぐらついて危険 |
| ちょうどよい | 足の裏が床につき、膝が約90度。安全に休める |
足が床につくことが最低条件で、そのうえで立ち上がりやすさを考えるなら高めが有利です。この2つは背の低い方ほど両立しにくく、既製の固定座面では妥協するしかありませんでした。
この製品は42〜50cmの3段階で調整できます。実際に座ってもらい、足が床につく範囲で最も高い位置に合わせるのが基本です。
座れない歩行車は、外出の範囲を狭めます。「途中で休めない」と分かっていると、外出そのものを控えるようになるためです。
② 手元で抑速ブレーキに切り替えられる
抑速ブレーキとは、スタート時や下り坂などでの急発進を防ぐ機能です。常に軽くブレーキがかかった状態になり、歩行車が勝手に進んでいくのを抑えます。
歩行車の事故で多いのが、下り坂で歩行車だけが先に進んでしまい、引っ張られて転倒するケースです。抑速ブレーキはこれを防ぎます。
切り替えられることの意味
この製品では、駐車ブレーキの操作部の上で、抑速ブレーキへの変更ができます。歩行に不安がある方が自分で調節することも可能です。
| 場面 | 抑速ブレーキ |
|---|---|
| 平らな屋内 | 不要(重くて疲れる) |
| 下り坂・スロープ | あったほうが安全 |
| 歩き出しがふらつく | あったほうが安全 |
| 長距離を歩く | 常時かかっていると疲れる |
抑速ブレーキは安全と引き換えに、押すのに力が要ります。常時オンだと疲れやすくなるため、必要な場面で入れられるのが理想です。切り替え式はそこを解決しています。
③ 前輪の回転を切り替えられる(3WAY)
前輪の動きをまっすぐ/左右45°/360°から選べます。これも簡単に変更できるよう工夫されています。
| 設定 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| まっすぐ(固定) | 直進が安定する。ふらつきにくい | 屋外・長い直線 |
| 左右45° | ある程度曲がれて、直進も安定 | 屋外で曲がり角がある |
| 360°(自在) | 小回りが利く | 屋内・狭い場所 |
前輪が自在に回るほど小回りは利きますが、そのぶんまっすぐ進むのに力が要り、ふらつきやすくなります。屋外で長い距離を歩くなら固定、家の中で方向転換が多いなら自在——という使い分けです。
1台で屋内外を兼ねたい場合に、この切り替えは効きます。
仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 重量 | 7.5kg |
| 押手高さ | 70〜90cm |
| 座面高さ | 42〜50cm(3段階) |
| 収納 | あり |
| カラー | ネイビー2種・レッドの3種類 |
| メーカー希望小売価格 | 49,800円(非課税) |
| レンタル料 | およそ300単位/月=1割負担で月300円程度 |
押手高さも70〜90cmで調整できます。立ったときに肘が軽く曲がる高さが目安です。高すぎると肩がすくみ、低すぎると前かがみになります。
介護保険での扱い
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分 | 福祉用具貸与「歩行器」 |
| 対象 | 要支援1〜要介護5(要介護度の制限なし) |
| 調整・交換 | 無料。合わなければ別機種に変更できる |
ここが最も伝えたい点です。今使っている歩行車が合っていないなら、我慢せずに相談してください。レンタルであれば調整も交換も費用はかかりません。ケアマネジャーか福祉用具専門相談員に「座ると足が届かない」「下り坂が怖い」と伝えるだけで、選択肢が出てきます。
よくある質問
Q. 座面の高さは自分で変えられますか?
A. 調整の方法は機種によります。まずは福祉用具専門相談員に合わせてもらってください。誤った固定をすると使用中に下がる危険があります。
Q. 抑速ブレーキは常にオンにしておくべきですか?
A. 状態によります。歩き出しがふらつく方は常時オンが安全ですが、長距離を歩く方には負担になります。理学療法士や福祉用具専門相談員と相談して決めてください。
Q. 7.5kgは重くないですか?
A. 歩行車としては標準的な重さです。体重を預ける用具なので、軽すぎると安定しません。ただし車に積む機会が多いなら、より軽い機種も検討の余地があります。
Q. 屋内用と屋外用を2台借りられますか?
A. 同一種目の複数貸与は原則として認められませんが、必要性が認められれば例外もあります。ケアマネジャーに相談してください。この製品のように1台で切り替えられる機種を選ぶのが現実的な解決策です。
まとめ
- 歩行車が合わないと感じたら、レンタルなので交換できる
- 座面の高さは「足が床につく範囲で、できるだけ高く」
- 抑速ブレーキは下り坂と歩き出しの安全に効く。切り替え式なら疲れも抑えられる
- 前輪は固定=直進安定(屋外)/自在=小回り(屋内)
- 押手の高さは肘が軽く曲がる位置
- レンタルは1割負担で月300円程度。要支援1から
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用具が体に合うと外出の範囲は広がりますが、初めての道や人混みでは付き添いがあったほうが安心です。介護保険では対応しづらい外出の同行を頼みたいときは、保険外の在宅介護という選択肢もあります。
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