トイレでの立ち座りが不安になってきたとき、最初に検討されるのが手すりです。ただ壁に取り付ける工事は、賃貸だとできない・下地がないと付かない・工事日程を待つ必要がある、といったハードルがあります。
そこで選択肢になるのが床置き型(据置き型)の手すりです。工事不要で床に置くだけ、介護保険のレンタル対象なので月々数百円から使えます。
この記事では、床置き型トイレ手すりの選び方を整理したうえで、実際によく使われているモルテン「ルーツ スモールタイプ 両手すり(MNTPT2)」の特徴を紹介します。
この記事でわかること
- 床置き型トイレ手すりと、壁付け手すり・工事の違い
- 選ぶときに確認すべき4つのポイント
- モルテン「ルーツ」スモールタイプの特徴
- 介護保険でのレンタル料金の目安
床置き型トイレ手すりとは(工事との違い)
| 床置き型手すり | 壁付け手すり(工事) | |
|---|---|---|
| 工事 | 不要(置くだけ) | 必要(半日〜1日) |
| 賃貸 | そのまま使える | 大家の許可が必要 |
| 介護保険の区分 | 福祉用具貸与(レンタル) | 住宅改修(20万円枠) |
| 費用感 | 月額の1〜3割(数百円程度) | 1か所2〜4万円の1〜3割 |
| 合わなかったとき | 交換・返却できる | やり直しになる |
| 設置スペース | 床に脚のぶん場所を取る | 取らない |
いちばんの利点は、合わなければ交換できることです。工事だと20万円の枠を消費したうえに、位置が合わなくてもやり直せません。まずレンタルで試して、本当に必要な位置が固まってから工事、という順番が合理的です。
選ぶときに確認すべき4つのポイント
1. 両手か、片手か
立ち上がりの力が弱い方は両手で支えられるタイプが安定します。一方、片麻痺がある方は麻痺側に手すりがあっても使えないため、片手タイプにして介助スペースを空けたほうがよいことがあります。
2. 便器とトイレの広さ
床置き型は脚が床を占有します。ドアの開閉、介助者が立つスペース、ペーパーホルダーの位置と干渉しないか、必ず現物合わせで確認してください。狭いトイレでは「スモールタイプ」のようなコンパクトな機種が必要になります。
3. グリップの太さと質感
握力が落ちている方には、細すぎるパイプは滑ります。また金属むき出しのグリップは冬場に冷たく、握るのをためらう原因になります。
4. 手すり内側の寸法
見落とされがちですが重要です。手すりの内側の空間が中途半端に広いと、体勢を崩したときに頭や首が入り込む事故につながります。安全寸法が確保されている製品を選んでください。
モルテン「ルーツ スモールタイプ 両手すり(MNTPT2)」
モルテンから発売されているトイレ用手すり、ルーツスモールタイプです。
このように両手タイプと片手にもすることができます。
置くだけで生活動作を広げる床置き型手すりです。
この製品のポイント
- 両手/片手どちらの構成にもできる:身体状況の変化に合わせて形を変えられます
- 工事不要の床置き型:置くだけで設置完了。賃貸住宅でも使えます
- ぐらつきの少ない安定感:立ち座りで体重をかけても動きにくい設計
- 手すり内側は安全寸法:頭が入り込まない寸法に設計されています
- 握りやすく温かみのあるグリップ:力が入りやすく、冬場も冷たくなりにくい
- スモールタイプ:狭いトイレでも設置しやすいサイズ
介護保険でのレンタル料金の目安
床置き型の手すりは介護保険の「福祉用具貸与」の対象種目です。要支援1・2、要介護1の方でも対象になります(特殊寝台や車いすと違い、軽度者でも使えるのが手すりの利点です)。
レンタル価格の目安は月250〜400単位程度。1単位およそ10円で計算すると月額2,500〜4,000円前後になり、自己負担はその1〜3割です。
| 負担割合 | 月額の自己負担(目安) |
|---|---|
| 1割 | 約250〜400円 |
| 2割 | 約500〜800円 |
| 3割 | 約750〜1,200円 |
※単位数は機種・事業所によって異なります。正確な金額は担当のケアマネジャー、または福祉用具貸与事業所にご確認ください。
よくある質問
Q. 介護認定がなくても借りられますか?
介護保険を使うには要支援・要介護の認定が必要です。認定がない場合は、自費レンタルや購入という選択肢になります。多くの福祉用具貸与事業所が自費レンタルにも対応しています。
Q. 床が傷つきませんか?
脚の裏に保護材が付いている製品がほとんどですが、長期間同じ位置に置くと跡が残ることはあります。気になる場合は下に薄い保護マットを敷いてください。ただし、厚いマットや滑るマットは手すりの安定性を損なうので避けてください。
Q. トイレ以外でも使えますか?
使えます。ベッドサイド、玄関の上がりかまち、ソファからの立ち上がりなど、立ち座りが発生する場所ならどこでも有効です。ただし設置場所ごとに適したサイズが変わります。
Q. 自分で選んで注文できますか?
介護保険を使う場合は、ケアプランへの位置づけと福祉用具専門相談員による選定・適合が必要です。カタログで目星をつけたうえで、担当のケアマネジャーに相談するのがスムーズです。
まとめ
- 床置き型手すりは工事不要・レンタル対象で、合わなければ交換できるのが最大の利点
- 選ぶときは「両手か片手か」「トイレの広さ」「グリップ」「内側の安全寸法」を確認
- モルテン「ルーツ スモールタイプ」は両手/片手の切り替えができ、狭いトイレにも入る
- レンタル料は月250〜400単位程度。自己負担は月数百円から
- まずはデモ機を持ってきてもらい、実際のトイレで試してから決める
設置位置は数センチ違うだけで使い勝手が変わります。カタログだけで決めず、必ず実際のトイレで、ご本人に立ち座りしてもらいながら位置を決めてください。多くの福祉用具貸与事業所が無料でデモに対応しています。
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