外出用の歩行車の選び方5つ|バスケットの位置が安定性を左右する・杖ホルダーとブレーキの見方

外出用の歩行車は各社から出ていて、カタログを見ても違いが分かりにくい用具です。値段も2万円台から5万円台まで幅があります。

実際に使い勝手を分けるのは、構造の細部です。この記事では、選ぶときに見るべき5つのポイントを、実際の製品を例に整理します。

この記事でわかること

  • バスケットの位置が安定性を左右する理由
  • 杖ホルダーという地味だが重要な装備
  • 折りたたみやすさ・グリップ・ブレーキの見方
  • レンタル料は1割負担で月300円程度
  • デザインが使用の継続に関わること

① バスケットの位置

荷物を入れるバスケットが座面の下にあるか、ハンドルの前にあるかで、安定性が変わります。

バスケットの位置重心安定性
座面の下(低い位置)低くなる高い
ハンドルの前(高い位置)高く・前寄りになる荷物が重いと前に傾きやすい

荷物を入れるほど重心が上がると、段差を越えるときや方向転換のときに不安定になります。座面の下に置く構造は安定性を重視した設計です。

買い物に使うなら、この差は毎回効いてきます。「荷物を入れたら急に押しにくくなった」という場合は、バスケットの位置を疑ってください。

② 杖ホルダー

見落とされがちですが、実用上とても重要です。

歩行車を使う方の多くは杖も併用しています。屋内では杖、外出時は歩行車、というように使い分けているためです。ところが歩行車を押している間、杖の持ち場所がありません。

  • 手に持つ → 片手が塞がり、ハンドルを両手で握れない
  • バスケットに入れる → はみ出して人や物に当たる
  • 置いてくる → 目的地で杖が使えない

杖ホルダーが標準装備されていれば、この問題がまるごと解決します。杖を併用している方は、必ず確認してください。


ここからは、実際の製品を例に見ていきます。

 株式会社竹虎から発売されているハッピーミニプレミアムです。

ロングセラーのハッピーやハッピーミニシリーズのデザインを高級感あるものにしています。


メーカーさんからの説明
高級感あふれるカラーリング
安全性と信頼性におしゃれをプラス

●ブラックパイプにメタリックを散りばめた高級感あるデザイン。
●おしゃれにカラーリング(マルーン色)された座面クッション。
●物を運ぶためのバスケットは、座面の下にあり安定性を重視。
●杖を取り付けられる便利な杖ホルダーを標準装備。
●バスケットを外してストラップを引くだけで簡単に折りたたみ可能。
●握りやすいグリップ形状。耐久性のあるブレーキユニットを採用。
購入価格は40,700円(税別37,000円)

介護保険でのレンタルは300単位前後になります。


③ 折りたたみのしやすさ

この製品はバスケットを外してストラップを引くだけで折りたためます。

折りたたみは、カタログでは「折りたたみ可」の一言で済まされますが、実際には手順の数が使い勝手を決めます。

場面折りたたみが必要か
車に積む(通院・外出)必要
玄関に置く必要なことが多い
電車・バスに乗る必要
店内で邪魔になったときあると助かる

力の弱くなった方が、その場で1人でたためるかが判断基準です。手順が多い機種や、力が要る機種は、結局たたまなくなって使う場面が減ります。実際に本人にやってもらってから決めてください。

④ グリップの形状

握りやすいグリップ形状かどうかは、長く歩けるかに直結します。

  • 手のひら全体で支えられる形か
  • 握力が落ちても滑らないか
  • 手首が変な角度にならないか

歩行車は体重の一部を腕で支えながら歩く用具です。グリップが手に合わないと、手のひらや手首が痛くなって外出をやめてしまいます。

⑤ ブレーキ

耐久性のあるブレーキユニットかどうかは、安全性そのものです。

  • 握りやすいか…握力が落ちてもかけられるか
  • 駐車ブレーキがあるか…座るときに必須です
  • 効きが調整できるか…ワイヤーが伸びてきたら調整が必要
  • 坂道で止められるか

座る前には必ず駐車ブレーキをかけてください。歩行車の事故で多いのが、ブレーキをかけずに腰を下ろして本体が動き、そのまま転倒するケースです。「座る=ブレーキ」を習慣にしてください。

デザインは実用の一部です

この製品は、ロングセラーのシリーズを高級感のあるデザインにしたものです。ブラックにメタリックを散りばめたパイプ、マルーン色の座面クッション——カタログ的には見た目の話ですが、実用面でも意味があります。

「介護用品に見えるから使いたくない」という理由で、必要な人が使わなくなることが現実にあります。とくに外出用は人目に触れるため、この心理は強く働きます。

使ってもらえない用具は、機能がどれだけ優れていても意味がありません。本人が気に入って毎日持ち出せるかは、選定の重要な基準です。

費用

項目金額
購入する場合40,700円(税別37,000円)
レンタル料300単位前後/月
1割負担なら月300円程度

4万円の用具が月300円程度で使えます。福祉用具貸与は1単位=10円なので、300単位はおよそ3,000円、その1割です。

介護保険での扱い

項目内容
区分福祉用具貸与「歩行器」
対象要支援1〜要介護5(要介護度の制限なし)
利点状態が変われば別の機種に交換できる

歩行器は要介護度の制限なく借りられます。車いすや介護ベッドのような「要介護2以上」の縛りがないため、要支援の段階から使えます。

なおシルバーカーは介護保険の対象外です。見た目が似ていても、荷物を運ぶための道具と、体を支えるための道具は別物です。

よくある質問

Q. 座面には毎回座っていいのですか?

A. 休憩のために座る想定で作られています。ただし必ず駐車ブレーキをかけてから座ってください。また、座った状態で人に押してもらう使い方は想定されていません(車いすではありません)。

Q. 荷物はどれくらい入れられますか?

A. 機種ごとに耐荷重が決まっています。入れすぎると押しにくくなり、転倒の原因になります。買い物で重い物を運ぶなら、耐荷重を必ず確認してください。

Q. 屋内でも使えますか?

A. 幅と小回りの問題があります。室内のドア・トイレの入口を通れるかを実測してください。屋内外で条件が違うなら、屋内用と屋外用を分ける選択肢もあります。

Q. 雨の日はどうすればいいですか?

A. 濡れた路面ではブレーキの効きが落ちます。速度を落とし、マンホールや白線の上を避けてください。使用後は水気を拭き、ブレーキワイヤーの錆を防ぎます。

まとめ

  • バスケットは座面の下(低い位置)のほうが安定する
  • 杖ホルダーは杖を併用する方には必須の装備
  • 折りたたみは本人が1人でできるかで判断する
  • グリップとブレーキは握力が落ちても使えるか
  • 座る前に必ず駐車ブレーキ
  • レンタルは1割負担で月300円程度。要支援1から借りられる
  • 本人が気に入って持ち出せるかも重要な選定基準

PR
歩行車があっても、初めての道や人混みでは付き添いがあったほうが安心です。介護保険では対応しづらい買い物や趣味の外出に同行してほしいときは、保険外の在宅介護という選択肢もあります。
自費の介護サービス【イチロウ】

関連記事

コメント