屋内用の歩行器(歩行車)の選び方|幅・ブレーキの見方と島製作所シンフォニーSPスリム

歩行車(シルバーカーではなく、介護保険でレンタルできる歩行器)を選ぶとき、多くのご家族が最初に迷うのが「大きさ」です。安定性を求めて大きいものを選ぶと、今度は家の中で曲がれない、玄関から出せない、という問題が出てきます。

特に日本の住宅は廊下が狭く、トイレや脱衣所の入口で回りきれないことが珍しくありません。屋内で使うなら、まず「その家の動線を通れるか」が選定の出発点になります。

この記事では、島製作所のコンパクトモデル「シンフォニーSPスリム」を例に、歩行車の選び方とブレーキの見方を解説します。

この記事でわかること

  • 歩行車を選ぶときに最初に確認すること(幅・重量・小回り)
  • ブレーキの種類と、握力が落ちた方の見極め方
  • 「シンフォニーSPスリム」の特徴
  • 介護保険でのレンタル料金の目安
  • シルバーカーとの違い(間違えやすい)

歩行車とシルバーカーは別物です

最初に整理しておきます。見た目が似ていますが、目的も制度上の扱いも違います。

歩行車(歩行器)シルバーカー
目的体重を預けて歩行を支える荷物を運ぶ・小休止する
体を支えるできるできない(想定外)
介護保険福祉用具貸与の対象対象外(自費購入)
向く方歩行が不安定な方自力歩行できる方

歩行が不安定な方がシルバーカーに体重を預けると、前方に転倒します。「押す車」ではなく「支える器具」が必要なら、歩行車を選んでください。

屋内用を選ぶときに確認する3つのこと

1. 全幅と、家の中で最も狭い場所

いちばん重要です。カタログの全幅だけでなく、実際に通したい場所の有効幅を測ってください。特に次の場所が関門になります。

  • トイレの入口(引き戸の引き残し部分)
  • 脱衣所の入口
  • 廊下から居室への曲がり角(直進幅ではなく回転できるか)
  • 玄関の上がりかまち周り

曲がり角は「幅が足りていても回れない」ことがあります。実機を持ってきてもらって、実際に押してみるのが確実です。

2. 重量

屋内用でも、玄関の段差で持ち上げる、車に積むといった場面があります。介助者の体力次第では、1kgの差が続けられるかどうかを分けます。

3. ブレーキの操作方法

後述しますが、ここが合わないと安全性が確保できません。

ブレーキの見方

歩行車のブレーキには2つの役割があります。

  • 走行ブレーキ:歩いている最中に速度を落とす/止める
  • 駐車ブレーキ(ストッパー):立ち座りのときに動かないよう固定する

立ち座りのときに駐車ブレーキをかけ忘れると、歩行車が動いて転倒します。これは現場でよく起きる事故です。「握るとブレーキ、押し下げると駐車」という操作方式なら、動作が直感的で覚えやすくなります。

また、片手の操作で両輪にブレーキがかかる仕組みかどうかも確認してください。片麻痺の方や、片手に力が入らない方でも確実に止められます。

「シンフォニーSPスリム」の特徴

 島製作所から発売されているシンフォニーSPスリムです。介護保険でもレンタル可能な商品になります。

こちらは花柄紺

こちらはオレンジになります。



小回りのきくコンパクトモデルです。片方のブレーキ操作で両方のタイヤのブレーキをかけることができます。


・おしゃれなカラーリング

・収納たっぷりで使いやすいバック付き

・ブレーキレバーを握るとブレーキ、押し下げると駐車用ストッパー

・重量は4,9kg

・3WAY


介護保険でのレンタルは300単位前後になります。




介護保険でのレンタル料金

歩行車は介護保険の福祉用具貸与「歩行器」の対象です。要支援1・2、要介護1の方でも利用できます(車いすや特殊寝台と違い、軽度者でも対象になります)。

レンタル価格は月300単位前後が目安です。1単位およそ10円で計算すると月額3,000円前後、自己負担はその1〜3割になります。

負担割合月額の自己負担(目安)
1割約300円
2割約600円
3割約900円

※単位数は機種・事業所によって異なります。正確な金額は担当のケアマネジャーにご確認ください。

よくある質問

Q. 屋外でも使えますか?

使えますが、コンパクトモデルはタイヤが小さいぶん、砂利道や段差には弱くなります。屋外中心なら大径タイヤのモデルを検討してください。屋内主体か屋外主体かで、選ぶ機種は変わります。

Q. 高さの調整はできますか?

できます。目安は、まっすぐ立ってハンドルを握ったとき、肘が軽く曲がる高さです。低すぎると前かがみになって転倒しやすくなり、高すぎると体重を預けられません。

Q. 座って休めますか?

座面付きのモデルなら休憩できます。ただし座面付きは「休むための機能」であって、座ったまま押してもらう(移送)ことは想定されていません。移送が必要なら車いすを検討してください。

Q. 認知症があっても使えますか?

ブレーキの操作を覚えられるかどうかが分かれ目です。難しい場合は、手を離すと自動で止まるタイプや、抑速ブレーキ付きの機種を検討します。

まとめ

  • 歩行車とシルバーカーは別物。体重を預けるなら歩行車
  • 屋内用は家の中で最も狭い場所を通れるかが選定の出発点
  • 曲がり角は「幅が足りても回れない」ことがあるので実機で確認する
  • ブレーキは走行用と駐車用の2つ。片手で両輪が効くかを確認
  • 立ち座り時の駐車ブレーキかけ忘れが事故の典型。操作が直感的な機種を選ぶ
  • 高さは「肘が軽く曲がる」位置に合わせる
  • レンタルは月300単位前後。1割負担なら月300円程度

歩行器はカタログの数字だけでは決められません。多くの福祉用具貸与事業所が無料でデモ機を持って訪問してくれるので、実際の家の中で押してもらってから決めてください。

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【イチロウ】

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