冬は、転倒よりも怖いものがあります。
浴室やトイレで起きる、急な体調の変化です。
いわゆるヒートショックですが、福祉用具でできる対策は意外とあります。
今回は、冬に増える事故と、道具で減らせる部分を整理します。
なぜ冬に増えるのか
暖かい居間から、寒い脱衣室へ。服を脱いで、熱い湯につかる。
この間に血圧が大きく上下します。温度差が10度以上あると危ないと言われています。
そして、事故が起きやすいのは決まった場所です。
| 場所 | 何が起きるか |
|---|---|
| 脱衣室 | 服を脱いだ直後に血圧が上がる |
| 浴槽の中 | 温まって血圧が下がり、意識が遠のく |
| 浴槽から立つとき | 立ちくらみ。ここでの転倒が多い |
| 夜中のトイレ | 布団から出た直後。廊下が冷えている |
3つ目を見落とさないでください。のぼせて立ち上がった瞬間が、いちばん危ない場面です。
道具で減らせること
浴槽から立つのを助ける
- 浴槽用の手すり(浴槽の縁をはさむタイプ)…工事なしで付きます。購入の対象
- 浴槽台(浴槽内のいす)…底が深い浴槽で、立ち上がりが楽になります
- バスボード…浴槽をまたがずに、座ったまま移れます
どれも特定福祉用具販売の対象です。レンタルではなく購入になりますが、年間10万円の枠が使えます。
湯につかる時間を短くする
道具の話ではありませんが、効果が大きいところです。
長湯をしないこと。そしてお湯の温度を41度くらいまでにすること。
シャワーチェアがあると、湯船に入る前に体を洗って温められるので、いきなり熱い湯につかる場面を減らせます。
夜中のトイレを安全にする
- ポータブルトイレ…寝室に置ければ、冷えた廊下を歩かずに済みます
- 足元灯…暗い中で起きるのは、それだけで危ない
- ベッド周りの手すり(ベッド用グリップ)…起き上がりと立ち上がりを支える。レンタル対象
1つ目に抵抗を感じるご家族は多いです。
ただ、冬の間だけという使い方もできます。レンタルではなく購入ですが、特定福祉用具販売の対象です。
工事が必要なものは住宅改修で
道具だけでは届かない部分もあります。
- 浴室の壁に手すりを付ける…住宅改修(20万円の枠)
- 脱衣室と浴室の段差をなくす…同上
- 床材を滑りにくいものに変える…同上
ただし、暖房器具の設置は住宅改修の対象になりません。脱衣室を暖めること自体は、保険の外で考えることになります。
家族にお願いする3つ
- 入浴前に、脱衣室と浴室を暖める…シャワーでお湯をはる、暖房を入れる
- 入る前に声をかける…「入るよ」と言ってもらう。何かあったときに気づけます
- 食後すぐ、飲酒後の入浴は避ける
2つ目がいちばん効きます。道具より、気づくのが早いことのほうが結果を変えます。
今日のまとめ
- 冬の事故は脱衣室・浴槽の中・浴槽から立つとき・夜中のトイレで起きる
- 浴槽用手すり・浴槽台・バスボードは購入の対象(年間10万円の枠)
- シャワーチェアがあると、いきなり熱い湯につかる場面を減らせる
- 夜中のトイレはポータブルトイレ・足元灯・ベッド用グリップ
- 壁の手すりや段差は住宅改修。暖房器具は対象外
- 家族にお願いするのは暖める・声をかける・食後と飲酒後を避ける
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