ベッドからの立ち上がり・移乗で前に倒れそうなときの膝当て付き置き型手すり|要支援1からレンタル可

ベッドから車いすへ、椅子から立ち上がる——この移乗の瞬間が、在宅介護でもっとも事故が起きやすい場面です。

とくに怖いのが前方への転倒です。立ち上がりかけたところで膝の力が抜け(膝折れ)、そのまま前に崩れ落ちる。介助者が支えようとして一緒に転ぶ、というのも珍しくありません。

この記事では、膝当てが付いた置き型手すりで、なぜ前方への転倒を防げるのかを整理します。

この記事でわかること

  • 移乗のときに前へ倒れるメカニズム
  • 膝当てがどう働くか
  • 普通の置き型手すりとの違い
  • スライディングボードとの併用
  • 介護保険は手すり扱いで要支援1からレンタルできること

なぜ前へ倒れるのか

立ち上がる動作は、次の順序で進みます。

  1. 浅く座り直す
  2. お辞儀をするように上体を前に倒す(重心を足の上へ移す)
  3. 膝を伸ばして立ち上がる

問題は②の状態で③に移れないときです。上体はすでに前に倒れているのに膝が伸びない。そのまま重心だけが前に出て、転落します。

状態起こること
膝折れ膝の力が抜け、前方へ崩れ落ちる
手すりを引きすぎる体が前に引っ張られて突っ込む
足が前に出すぎている重心が足の上に乗らず、立てないまま前に倒れる

ここからは、実際の製品の仕組みです。



立ち上がり移乗に不安がある方、サポートを必要とする方、立ち上がり移乗の際に前方へ転倒や落下を心配される方におすすめです。

膝当てに膝をつけることで立ち上がり動作を容易にし、前方への転倒予防、安定した立位ができます。

安定感を確保しつつ、ベースサイズが一回り小さくなり、狭い場所への設置が可能になりました。

スライディングボードの併用も可能。


商品名:たちあっぷⅡ ひざたっち

品番:CKI-22

質量:23.3kg

TAISコード:00055-000209

希望小売価格:134,200円(税抜 122,000円)


手すりの径:32mm


【材質】

手すり:プラスチック被膜スチールパイプ

ジョイント:プラスチック

ベース・スタンド:ステンレス

マット:ポリエステル/アクリル樹脂


膝当てが果たす3つの役割

役割内容
① 前方への転倒を止める膝が前に出るのを物理的に受け止める。膝折れしても崩れ落ちない
② 立ち上がりの支点になる膝を当てて固定できるので、上体を前に倒す動作が安定する
③ 足の位置を決める毎回同じ位置に足を置けるため、動作が再現しやすい

③は見落とされがちですが重要です。立ち上がりが不安定な方は、足の置き方が毎回違うことで動作がばらつきます。膝当てがあると足の位置が自然に決まるため、「いつも同じやり方」で立てるようになります。

普通の置き型手すりとの違い

通常の置き型手すり膝当て付き
支える方向上下(引き上げる)上下+前方の受け止め
膝折れへの対応できないできる
介助のしやすさ介助者が前で支える必要がある膝当てが代わりを果たす
向いている方脚力は残っているが支えが要る膝折れ・前方転倒の不安がある

すでに置き型手すりを使っていて「それでも前に倒れそうになる」なら、この形への変更を検討する段階です。レンタルなら機種の交換で対応できます。

狭い場所にも置けるようになった

この製品は、安定感を確保しながらベースサイズが一回り小さくなっています。置き型手すりの弱点は「場所を取ること」でしたが、そこが改善されています。

ベッドと壁の間、トイレの横、椅子の脇など、もともと余裕のない場所に置くことが多い用具なので、この差は実用上大きく効きます。

スライディングボードとの併用

スライディングボードの併用も可能です。これは、立ち上がらずに座ったまま横へ滑って移乗するための板です。

方法立ち上がり向いている方
手すりを使って立って移乗必要短時間なら立てる
スライディングボード不要立位が取れない・立つのが危険

状態が進んで立てなくなっても、同じ手すりを使いながらボードでの移乗に切り替えられるということです。用具を丸ごと入れ替えずに済むのは、本人にとっても環境の変化が少なくて済みます。

仕様

項目内容
質量23.3kg(体重をかけても動かないための重さ)
手すりの径32mm(握力が落ちた手でも握り込める太さ)
手すりプラスチック被膜スチールパイプ(冷たくなりにくい)
ベース・スタンドステンレス
希望小売価格134,200円(税抜122,000円)

13万円台と高額ですが、レンタルなら月々数百円〜千円程度の負担です。買うものではなく借りるものと考えてください。

介護保険でのレンタル

項目内容
区分福祉用具貸与「手すり(工事を伴わないもの)」
対象要支援1〜要介護5(要介護度の制限なし)
利点状態が変われば別の形状に交換できる

手すりは要介護度の制限がないため、要支援の段階から使えます。「まだそこまでではない」と待っているうちに転倒して骨折する、というのが最も避けたい経過です。ヒヤリとした時点が導入のタイミングと考えてください。

設置するときの注意点

  • ベッドの高さと合っているか…ベッドが低いと立ち上がれません。介護ベッドなら高さを調整します
  • 膝当ての高さ…膝のお皿の下あたりに当たる位置に調整します
  • 手すりの向き…麻痺がある側では握れません。効く手に合わせます
  • 床が水平か…畳の上では沈み込むことがあります
  • 立ち上がった先の動線…立てても次に進めなければ意味がありません

よくある質問

Q. 膝当てがあると窮屈ではありませんか?

A. 常に膝を押しつけるものではなく、前に出たときに受け止める位置に調整します。高さが合っていないと当たって痛いので、必ず福祉用具専門相談員に調整してもらってください。

Q. 介助者がいなくても使えますか?

A. 自分で立ち上がれる方なら1人で使えます。むしろ「介助を呼ばずに立てる」ことが自立につながります。ただし立ち上がった先の安全が確保されていることが前提です。

Q. トイレでも使えますか?

A. 使えます。ベースが小さくなったことで、トイレのような狭い場所にも置きやすくなっています。ただしドアの開閉と、介助者が入れる幅を必ず確認してください。

Q. 賃貸でも使えますか?

A. 使えます。工事をしないので承諾も原状回復も不要です。

まとめ

  • 移乗の事故は前方への転倒(膝折れ)が多い
  • 膝当ては①前方の受け止め ②立ち上がりの支点 ③足の位置決めの3役
  • 置き型手すりを使っていてまだ前に倒れそうなら、この形への交換を検討
  • 立てなくなってもスライディングボードに切り替えられる
  • 介護保険は手すり扱いで要支援1からレンタルできる
  • ヒヤリとした時点が導入のタイミング

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移乗の場面は、家族が一日に何度も付き添うことになる部分です。腰への負担が限界に近い、夜間の対応がつらいと感じたら、保険外の在宅介護で人手を足すという選択肢もあります。
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